断熱材の「役割」とは?働きを正しく理解しよう|断熱リフォームの匠

コラム

投稿日 2020.01.10 / 更新日 2022.10.10

断熱材

断熱材の「役割」とは?働きを正しく理解しよう

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矢崎 拓也

環境省認定うちエコ診断士

大学卒業後、断熱にまつわる資格をいくつも取得し、自ら調査や補助金申請の手配、セルロースファイバーの施工から窓の取付まで行える業界でも異色の人物。「日本中の住宅性能の低さを解決したい!」と大きな夢を原動力に戸建住宅の断熱リフォームに取り組む。

「最近の住宅では断熱材という言葉をよく耳にするようになったけど、どうしてそこまで重要視されているのかはわからない。具体的にどんな役割があるの?」

断熱材についてあまり詳しい話を聞いたことがない方ならばそういう疑問を抱くのではないかと思います。

このページではそんな疑問を持たれている方のために「住宅における断熱材の役割」についてご紹介していきます。

住宅の断熱材には以下のような役割があります。断熱材は目立たない存在ですが私たちが快適な暮らしをする上でとても大切な役割を担っています。

1.住宅を暑さと寒さの両方に強くする
2.夏の2階の熱気を緩和する
3.冬の健康リスクを下げる
4.光熱費の削減につながる

ここからは断熱材のこれらの役割ついて具体的にご紹介していきます。

断熱材の役割を一言で言うと住宅を暑さと寒さの両方に強くすること

断熱材の役割
断熱材は簡単にいえば「熱が伝わりにくくなる素材」です。住宅における断熱材の役割は「家の内側と外側を行き来する熱の量を減らす」ことにあるといえます。しかしこれだけだと

「それの何がいいの?」
「実際に自分たちの暮らしとどう結びつくの?」

と思われるのではないか思いますので、ここからはもう少し詳しくお話しをしていきます。

クーラーボックスをイメージしてみましょう。飲み物や食べ物を入れておくと中の氷は溶けにくくなり、冷たい状態で保存する事ができますよね。

これと同じで住宅における断熱材は

  • 夏に冷房を使う時は外の暑い空気が部屋の中に入ってこないようにする
  • 冬に暖房を使う時は部屋の暖かい空気を外に逃げにくくする

といった役割を果たします。個々の具体的な例を見ていきましょう。

具体的な断熱材の役割の例

夏の2階の熱気を緩和する


夏に冷房をつけていても「足元は涼しくなるけど上半身より上はモワッとする」と感じた事はありませんか?それは小屋裏からの熱が部屋の中に移動してきているからです。


このような現象はその場所が天井側(上部)に近くなればなるほど感じやすくなります。私たちが生活をしている空間のすぐ真上である小屋裏はとても暑くてサウナのような状態になっています。その熱が私たちのいる生活空間まで伝わってきてしまうことが熱気を感じてしまう原因です。

断熱材のある小屋裏
断熱材はそのような熱が部屋の内側まで伝わってこないようにする役割を持っています。

冬の健康リスクを下げる

夏場に冷房をつけていても天井からの熱気を感じてしまうことがあるのと同じように「暖房をつけていても足元にヒヤッとした冷たさを感じてしまう」という人が多いのではないかと思います。


やはりこれも外の冷たい空気が部屋まで伝わってきてしまっているのが原因です。

こういった冷気は床下や壁の中を通り、天井に到達した後は再び外に出ていきます。その過程で私たちが生活をしている部屋を冷やしてしまうのです。


断熱材は冬の部屋の床の底冷えや壁際の冷気などを感じさせなくすることができます。

また、暖房を切ったあとの部屋の室温の低下を緩やかにしたり、朝暖房をつけてから部屋が暖かくなるまでの時間を短くする働きもあります。断熱材の私たちの健康を守る役割も担っており、今後ますます重要視されるようになるのではないかと思います。

光熱費の削減につながる


建物を寒さや暑さに強くする役割を持っていると紹介をしてきた断熱材ですが、「わざわざ高価な断熱材を入れなくても、エアコンさえあればそういった問題は解決するのでは?」と思われる方がいるかもしれません。

確かにエアコンがあれば、とりあえずの寒さと暑さに耐えうる環境を作ることができます。また断熱材それ自体が建物を暖かくしたり冷やしてくれるわけではありません。

しかし断熱材があるとないとでは同じエアコンを使うにしてもその運用費に差が生じてきます。断熱性能が低いと部屋の温度を保ちにくいので、その分より多くのエネルギーを使うことになってしまいます。

断熱材は年数に寿命がある設備と違い半永久的にその効果を発揮することができます。断熱材自体の費用は必要となりますが、コンスタントに光熱費を削減できることを考えると、長い目で見ればそちらの方が元を取れることになります。

断熱材には家庭の経済を陰から支え続ける役割もあるのです。

結論:断熱材の住みやすい住宅を作る上での役割は大きい


今回は、住宅の断熱材の役割について、具体的に日常生活でイメージしやすいような例を挙げてまとめてみました。

住宅というとついついデザインや間取りばかりに目が行ってしまいがちですが、目に見えない「断熱材」は私たちの暮らしを支える上で重要な役割を担いでいます。家を新しく買おうとされている方は是非覚えておいてもらえたらと思います。

また、ここまでの話を聞いて

「今の自分の家の断熱材の性能はどれくらいなんだろう」

という疑問を持っていただけたのであれば是非ご提案させていただきたいのが断熱リフォームの匠の無料断熱診断です。断熱リフォームの匠では今住んでいる家の断熱性能を現在の新築住宅と同等のレベルに引き上げる「断熱リフォーム」を取り扱っています。

調査・お見積りまでは無料で承っていますので、興味を持たれた方はお気軽にお申し込みください。それ以外にも「断熱材についてここがわからない」といったご質問も受け付けておりますので、下の問い合わせフォームから是非ご相談下さい。