断熱リフォーム業者の選び方、相場と注意点を解説!|断熱リフォームの匠

コラム

投稿日 2021.01.13 / 更新日 2022.03.01

断熱リフォーム

断熱リフォーム業者の選び方、相場と注意点を解説!

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矢崎 拓也

環境省認定うちエコ診断士

大学卒業後、断熱にまつわる資格をいくつも取得し、自ら調査や補助金申請の手配、セルロースファイバーの施工から窓の取付まで行える業界でも異色の人物。「日本中の住宅性能の低さを解決したい!」と大きな夢を原動力に戸建住宅の断熱リフォームに取り組む。

「断熱リフォームをしたいけれど、どこの業者を選んだらいいか悩んでいます。」

 
断熱リフォームは、内装などのリフォームとは違い、多くの知識や技術力が求められるサービスです。

しかし、一般的なリフォーム業者の営業マンは「気流止め」や「Q値・UA値」といった意味すら知らないのが現実です。

こちらの記事では、なぜ断熱リフォームは知識のある業者選びが必要で、どのような基準で業者選びをしたら良いか?を解説します。

実はリフォーム業者は断熱リフォームの実績が少ない?

いざ、断熱リフォームをやろうと思っても、どこに頼んだらいいのか、皆さん迷われるようです。

キッチンやお風呂のリフォームとは違い、「断熱リフォームの実績が豊富そうなリフォーム会社が見つからなかった」と、私もよく伺います。

それはその通りで、住宅の断熱が重要だと広く認識されるようになったのは、つい最近のことだからです。

ホームページでは断熱リフォームのことをアピールしつつも、まだ需要はこれからの商品なので、あまり扱ったことがない業者がほとんどです。

しかも、リフォーム営業マンのほとんどは断熱にまつわる知識が乏しいのです。

その理由については、次項で詳しく説明します。

リフォーム業者にとって「断熱は扱いにくい」サービス
断熱リフォームには多くの知識が求められます。

断熱材の種類や性能の違い、住宅に合わせた施工方法や自治体ごとの補助金については当たり前のこと、建築についての知識も必要です。

正直、私も断熱リフォームに携わった当初は苦労しましたし、いまだに勉強になることがあるくらいです。

それでも、私の場合は断熱リフォームに特化しているから良かったです。

あれもこれも売らなくてはいけない総合リフォームの営業マンであれば、現実的に断熱のことを深く理解するのは難しいでしょう。

規格の決まったキッチンやユニットバスのように、簡単には扱えないのが断熱なのです。

断熱を取り扱い始めたリフォーム会社の実態
全く売れなかったリフォーム業者

過去に私どもにも、断熱の販売方法と商品についての勉強会を行ってほしいと、総合リフォーム会社さんから要望されたことがあります。

総合リフォーム会社さんですから、水回りのリフォームなどと抱き合わせで断熱を提案したい思惑があったはずですが、規格のある商品のように簡単には説明できないことと、デザインでお客様が喜ぶようなものとは違うため、ほとんど売れませんでした。

現在では、リフォーム会社さんから提携のお話があっても、お断りしています。

断熱知識のない他社の営業マンがお客様の理解が深まらないまま強引に販売した場合、自社の理念にはそぐわないと考えたためです。

床下断熱で気流止めが全く行われていなかった
あるお客様で、断熱の知識は無い営業マンだったものの、ホームページでは断熱リフォームの取り扱いをアピールしていた業者だったので、床下断熱(床下に入って断熱材を設置)をお願いしたそうです。

しかし、その後も寒さは改善されず、もっと良い手はないかと私共に相談がありました。

一旦、床下に入って驚いたのは、断熱で重要な気流止めが一切されていなかったのです。

断熱の技術が施工スタッフには求められますが、現実的には頻繁に依頼がある商品ではないため、知識や技術力に乏しいひとが行っていることが原因と考えられます。

補助金の活用を断られた
断熱リフォームで活用できる補助金はいくつかあります。

国が行っているものから地方自治体が行うものまで、対象条件や期間、補助額、申請方法など、初めての人にとっては、かなり複雑です。

それも毎年のように条件が変わるため、常に新しい情報を把握する必要があります。

時には、例年にはなかった補助金制度が開始することもあり、知らなかっただけで数十万円の損をすることも。

そういった理由から、素人が行うのは現実的ではないため、皆さんリフォーム業者に申請を委託したいと思うのは当然です。

ただし、リフォーム業者は断熱リフォームの実績が乏しいのと同様に、補助金申請についても知識が薄いのです。

実際に他社で見積りして、補助金について相談したところ、自分で行うように断られたお客様もいらっしゃいました。

断熱リフォームの業者の選び方


断熱を理解しているリフォーム会社は少ないながらも、全く無いわけではありません。

お願いしてから後悔しないためにも、リフォーム会社の見極め方を考えてみました。

①他社の製品も知っているか
自社で扱っている断熱材についてはもちろん詳しいと思いますが、それだけではなく扱っていない断熱材も知識として知っている担当者であれば、比較検討のアドバイスがもらえるでしょう。また、よく勉強し知識のある担当者といえます。
②自社商品のデメリットも言えるか
どんな断熱材にも、メリットとデメリットがあり、どんなリフォーム会社も「メリットとデメリット」を検討した上で取り扱う断熱材を決めています。
つまり、デメリットを言えるという事は取り扱う断熱材をしっかり把握している事になります。
逆に使用する断熱材のメリットだけ話して、デメリットを言ってくれないところは、知識不足の可能性があります。
事前にデメリットを知っていれば、納得した上で購入することができますし心の準備もできますよね。メリットもデメリットも答えられる会社の方が安心して工事をまかせられるでしょう。
③補助金の提案ができるか
補助金の条件や必要な書類などは自治体によって異なりますが、どのような制度を活用する事ができるのかをしっかり調べて対応してくれる会社は、お客様の目線に立った会社だと言えるでしょう。
④断熱にまつわる有資格者が調査してくれるか
断熱は知識を要する商品でありながらも、断熱リフォームを行う業者には特に資格は必要はありません。

逆に資格が必要がないにも関わらず、有資格者が在籍しているのは、その企業の姿勢が見て取れます。

予算に応じて断熱リフォームの業者を検討する


断熱リフォームの方法は大きく分けて2つになります。

お家の壁や床をはがして行う方法と、現状のまま床下や天井裏から断熱材を設置する方法です。

(厳密には壁や床を解体せず、室内側に断熱ボードを貼り付ける方法もありますが、断熱材の厚みの分、部屋が狭くなったり、見栄えが悪くなったりするので、ここでは説明を省略させていただきます。)

①壁や床をはがして断熱リフォームする100点断熱
実は一般的なリフォーム会社は、壁や床をはがす方法をお勧めします。

理由は断熱作業も効率的にでき、大きな費用が見込まれるからです。

「どうせなら全ての内装リフォームと一緒に行いましょう」と提案されるでしょう。

とはいえ、壁や床を解体して断熱材を設置するわけですから、施工技術がしっかりしていれば、効果は抜群です。

断熱リフォームの100点満点を目指すのであれば、この方法しかありません。

デメリットとしては当然ですが費用です。

家の面積や内装リフォームの内容次第ですが、1000万~1500万円くらいのレベルは覚悟してください。

また、盲点なのは施工するのが断熱知識のない大工さんだということ。

繰り返しますが、断熱は知識と技術が重要ですので、依頼の際は十分に確認してください。

②床下や天井裏から断熱する80点断熱
断熱効果は得たいが、予算をできるだけ抑えたい場合に候補になるのが、床下や天井裏に入って断熱材を設置する方法です。

この方法のデメリットは当然ですが、床下や天井裏に人が入れない住宅では不可能だということです。

しかし、こちらの方法であれば、費用はかなり抑えることが出来ます。

標準的な面積であれば、1階の床で60万円程度、2階の天井裏で40万円程度で可能です。
床プランの例はこちら

仮に内窓や玄関ドアも断熱仕様のものに変更しても、総額で200万円~250万円と、全てを解体した場合に比べ、2割程度に費用が抑えられます。
断熱リフォームの匠プラン

費用と効果のバランスで選ぶのであれば、断然こちらがお勧めです。

業者の選び方のまとめ

断熱リフォームは高い知識や技術力を持っている業者選びが重要です。

それでも、断熱リフォームはまだこれからの商品ということもあって、リフォーム業界では断熱経験が豊富な人材が少ないのが現状です。

一般的なリフォームとは違い、慎重に業者選びされることをお勧めします。

断熱リフォームの匠では、床や天井裏の断熱だけではなく、内窓の施工や補助金の申請代行も全て承ってます。

もし、断熱リフォームにご興味があるようでしたら、断熱リフォームの匠のHPを覗いてみてくださいね。

活用できるはずの補助金を見逃してしまったり、ずさんな施工で後悔することが無いように、コチラの記事が少しでもお役に立てたら幸いです。