断熱リフォームは古い家でも効果がある?|断熱リフォームの匠

コラム

投稿日 2020.08.25 / 更新日 2023.10.28

断熱リフォーム

断熱リフォームは古い家でも効果がある?

WRITER

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矢崎 拓也

環境省認定うちエコ診断士

大学卒業後、断熱にまつわる資格をいくつも取得し、自ら調査や補助金申請の手配、セルロースファイバーの施工から窓の取付まで行える業界でも異色の人物。「日本中の住宅性能の低さを解決したい!」と大きな夢を原動力に戸建住宅の断熱リフォームに取り組む。

「断熱リフォームを考えていますが家が古いのでちゃんと効果があるか不安です・・・」

 

こんにちは。《断熱リフォームの匠》の矢崎です。

今回このような疑問にお答えすべく、築年数が経ったお家での断熱リフォームについてお話ししていきます。

断熱リフォームは古い家でも効果がある?

結論、たとえ古い家であったとしても断熱リフォームをすれば十分な効果を感じていただくことが可能です。

築20年を超えるようなある程度築年数の経ったお家では断熱材が入っていなかったり、ほぼ意味をなしていないケースがとても多いです。

現在の基準に適合する断熱材を正しいやり方で施工すれば、今のお部屋を暑さや寒さを感じにくい快適な空間にすることができます。

実際、築年数20〜30年ほどのお家で施工いただいたお客様方からも「断熱リフォームの効果を体感できた」というお声を多くいただいています。断熱改修に携わる身としては嬉しい限りですね。

せっかくですのでいくつかの事例を取り上げてみたいと思います。

家の中の温度差が改善され快適に(築38年)

「断熱リフォーム後は天井と床の温度差は2〜3℃以内でサーキュレーターを回せば5分以内に1℃差以内に。驚きの変化でした。(O様の施工事例より)」

 
断熱性能が上がると建物全体の保温がよくなり、室内で温度差が発生しにくくなります。

暖房の設定温度を上げすぎずに足元の冷気を解消して、無駄なくより快適な空間作りを実現することができます。

内窓を”開けた時”の冷たさで変化を実感(築25年)

「暖房の効きが明らかに良くなっています。オフにしてからの冷え具合も全然違います。」「内窓を開けるとものすごい冷気を感じ、逆に今までこんなに窓際が寒かったんだ…と実感しました。(K様の施工事例より)」

 
ある程度年数の経った家では単板ガラスにアルミサッシの窓を目にする機会がとても多いです。しかしこれは国際的にみても性能の水準が非常に低く、寒さの大きな原因となります。

内窓は家の年数を問わず取り付けられますし、部屋をグッと暖かくすることができます。

築60年の家で今までの床の冷たさが解消

「昨年までの室内の寒さ、とくに床の冷たさが全くなくなって、その効果に驚いています。費用も最初は高いと思いましたが、効果を体感して、むしろコストパフォーマンスは高いと実感しています。(N様の施工事例より)」

 
N様のお家は築年数が60年で、床下に断熱材はまったく入っていませんでした。

断熱リフォーム後はその効果について驚きと喜びのお声をいただくことができました。

断熱性能は一気に跳ね上がりますので、むしろ古いお家ほどその効果を実感していただけるのではないかと思います。

ビフォーアフターで見る断熱性能の違い

そういえば《断熱リフォームの匠》では施工品質確保の取り組みの一環で、自社で購入した戸建て住宅を研修所として活用するために断熱改修したことがあります。

その家は築年数が30年を超えるような古い建物でしたが、断熱性能の変化をサーモグラフの写真を交えつつご紹介したいと思います。

天井

サーモカメラで天井の様子を確認します。サーモカメラは温度が高いほど赤く、低いほど青くなります。

天井がかなり赤くなっていますね。室温は20℃ほどでしたがそれに比べてかなり高くなっています。

真夏の小屋裏は50〜60℃にまでなり、その熱が室内まで伝わって天井が熱くなります。このことが体感温度を上げ、「エアコンをつけてるのに暑い・・・」となるわけです。


まずは前段階の施工として”気流止め”という作業を行います。

一般的な木造住宅では壁内に気流と呼ばれる空気の流れが発生していることが多いです。気流を起こさないための対策がなされていないと断熱施工は意味をなさなくなるとまで言われているくらい、気流止めは大事な工程です。


天井断熱は小屋裏の暑さを室内に伝えにくくするため暑さ対策への効果が大きく、特に2階の蒸し暑さを和らげる効果があります。

施工後に再びサーモカメラで確認すると・・・温度が上がっていないのが分かりますね。

施工前の床表面温度

こちらは床の様子。特に取り合いの部分が濃い青色になっています。

古い家では断熱性能の低さに加え、気密性能の低さからすきま風が発生して部屋を寒くしている場合が多いです。


床下断熱材として高性能グラスウールを充填しました。


ちなみに床下の断熱施工では天井と同様に断熱材に加えて寒さの大きな原因である気流を止めるための施工も事前に行います。

施工後の床表面温度

施工後にサーモカメラを確認すると・・・施工前よりも床が暖かくなっているのが分かります。

求める断熱性能で変わるコスト

窓の断熱改修にかかる費用の例

注意した方がいいのは、やはり求める断熱性能のレベルで施工方法や費用が変わってくるということです。

たとえば全館空調を使用するような高気密高断熱を謳う建物と同等のレベルにするのは古い家では非常に困難で、新しく家を建て直した方がいいかも知れません。

またそこまではいかないにしても、完璧な性能を求めるのであれば実現はフルリフォームによる改修が望ましいでしょう。

一方、内装を変えるような大掛かりな工事でなくていいから断熱性能だけを相応の基準に持っていきたいという場合は非破壊工法によるコストを削減しながらの断熱リフォームが適していると言えます。

また、寒さだけがなくなればいい、家全体でなくても生活空間だけがよくなればそれでいい、といった場合は部分的な断熱リフォームで対応するのがいいと思います。

自分がどんなリフォームをしたいのか、自分の要望を細かく汲み取ってくれるような信頼できる業者に相談してみるといいと思います。

建物の隠れた不具合には注意


本格的なリフォームの前にぜひおすすめしたいのが建物の状態確認です。

古い家はどこかで何かしらの不具合が発生しているリスクが大きいです。たとえば小屋裏での雨漏りの被害、床下でのシロアリ被害などです。

私自身、断熱診断を行っていると床下で配管破損による水漏れを発見するケースも稀にですがあります。(もちろん、状況は写真を撮って後でご報告しています)


もし隠れた不具合に気づかないまま断熱リフォームしてしまうと、年数とともに被害が進行して建物そのものの寿命を縮めてしまうリスクがあります。

リフォーム前には建物に異常がないか、しっかり確認しておくのがおすすめです。

近年ですと住宅の購入時にホームインスペクションをされる方が増えているようですが、リフォーム前の状態確認が目的で活用される方も少なからずいらっしゃるようです。

そういったサービスを検討してみるのもアリかも知れませんね。

さいごに


今回は古い家の断熱リフォームについてお話ししてきました。

どんな理想をどんな形で実現したいのかを事前に整理しておけば適切な価格で自分が必要としている改修だけを行うことができると思います。

検討している業者が施工技術がしっかりとしているかや各種補助金についての知識を持ち合わせているかも併せてしっかり確かめておきたいところですね。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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