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どこまでできる?断熱材を使ったDIY


WRITER
上野山 典之
DANREI運営スタッフ
DIYの断熱対策について考察を交えながら紹介していきます。断熱材を新たに設置する場所について、大きく室内からできる内装部・床下部・天井裏部の3種類に分けることが出来ます。内装部について、壁の中へ断熱材の入れるには一度壁をはがす必要があり、自力で行うのは非常に難しいと思われますので今回は省略します。内装部については、窓・床・壁の断熱について紹介していきます。
目次
内装部の断熱方法
断熱材と聞くと、ホームセンターで販売されている本格的なグラスウールやポリスチレンフォームの断熱材を想像してしまいがちですが、正確には熱の移動や伝達を減少させるものの総称です。私達が日頃目にしているようなものの中にも、断熱材としての役割を果たすことができるものがあります。
①窓の断熱

窓は夏・冬ともにもっとも熱の出入りが多い場所と言われており、一手間かけるだけで大きな断熱効果が期待出来ます。
緩衝材を張り付ける
最も簡単にできるのは、表面に断熱フィルムや遮熱フィルムを用いた断熱でしょう。一般的には霧吹きで微量の中性洗剤を混ぜた水を吹き付けて湿らせ貼り付ける方法がよく用いられていると思います。このとき、気泡やゴミがシートとガラスの間に入ってしまわないように気をつける必要があります。
カーテンを取り付ける
また、カーテンをつけたり既存のカーテンを厚手のカーテンや2重カーテンにすることも、空気の流れを留める事ができるので断熱に効果的です。2重カーテンは既存のカーテンの上に取り付けるタイプのものがお手軽でおすすめです。カーテンを付ける場合は、空気が端から漏れないよう、窓のサイズにあったものを選びましょう。
②床の断熱

冬場は室内の熱の約10%が床から逃げていってしまうと言われています。冬場に床から冷気を感じるのもこれが原因で、何かしらの断熱を行うことが望ましいでしょう。
ラグやカーペットを敷く
ラグやカーペットには断熱効果があり、敷くだけでも元々のフローリングに比べ熱伝導率を大幅に小さくすることができます。
マットを敷く
また、フローリングとカーペットの間にコルクマットやウレタンマットを敷けばさらに熱伝導率が下がるので、より暖かさを実感できるでしょう。
③壁の断熱

壁紙を張り付ける
市販のフェルト製のパネルやクッションタイプの壁紙などを壁に貼り付けると、断熱効果が期待できます。これらはピンやシール素材で貼り付けることができるようになっている場合が多く、ハサミやカッターによる加工もできるため、比較的お手軽に設置することができます。こちらも窓同様に、貼る前にしっかりと表面の汚れを取り除くようにしましょう。
巾木を取り付ける
また、壁とフローリングの取り合いにはわずかな隙間があります。この隙間から漏れ出す空気(漏気)は天井と壁の間の隙間を合わせると、室内全体の隙間の60%を占めると言われています。もし、写真のような巾木がないのであれば、市販の巾木を後付けするのが効果的です。巾木きでできたものの他に、塩化ビニールでできたソフトタイプのものがあり、木巾木に比べて比較的加工が簡単なのでおすすめです。
小屋裏・床下の断熱
まずは断熱材の工法から見ていきましょう。断熱工法は、構造材の隙間に断熱材を充填していく充填工法と、構造材の外側から断熱材を張り、建物全体を覆う外張断熱工法がありますが、木造住宅では充填工法が一般的です。
充填工法についても、断熱材の形状により充填方法が異なります。セルローズファイバーのような粉末状の断熱材は、ブロアーを使用して吹き積もらせていく方法で、グラスウールのようなマット状やボード状になってる断熱材は、タッカーで固定したり、建物に合わせてカットします。


セルローズファイバーは、ブロワー等の機材を用いて施工する必要があるため、自分で断熱材の取り付けを行うとなると、やはり現実的なのはグラスウールやポリスチレンフォームの断熱材をホームセンターで購入して敷き詰めていく方法でしょう。
しかし、断熱材の素材本来の性能を活かすには、断熱欠損を起こさないしっかりとした施工を行う必要があります。例えば、床下への断熱材の貼り付けは、狭い場所や配管・配線周りなど、施工が困難な場所では建物と断熱材の間に隙間ができやすく、断熱欠損を起こさないように工夫をする必要があります。発泡プラスチック系の断熱材に関しても、サイズの過不足により断熱欠損が起きたり、経年による劣化のリスクを大きくしてしまう場合があります。

また、天井と床下のいずれにおいても、天井板を踏み外したり、配管や配線を破損させてしまう可能性があり、危険が伴うので注意が必要です。
まとめ
天井裏・小屋裏の断熱は、断熱材の知識や、作業そのものについてのある程度の知識と経験が必要なため、DIYで行うのはやはり難しいと思います。内装部を自分で行い、床下や天井裏等の難しい場所を専門業者に依頼する、というやり方が現実的であると思います。